アーロン・ラムジー

ウェールズのサッカー選手

アーロン・ジェイムズ・ラムジー(Aaron James Ramsey, 1990年12月26日 - )は、ウェールズケアフィリ出身のサッカー選手EFLチャンピオンシップカーディフ・シティ所属。ウェールズ代表。ポジションはMF。ニックネームはランボー

アーロン・ラムジー
名前
本名アーロン・ジェイムズ・ラムジー
Aaron James Ramsey
ラテン文字Aaron Ramsey
基本情報
国籍ウェールズの旗 ウェールズ
生年月日 (1990-12-26) 1990年12月26日(33歳)
出身地ケアフィリ
身長178cm
体重76kg
選手情報
在籍チームウェールズの旗 カーディフ・シティ
ポジションMF(CMF)
背番号10
利き足右足
ユース
1999-2006ウェールズの旗 カーディフ・シティ
クラブ1
クラブ出場(得点)
2006-2008ウェールズの旗 カーディフ・シティ 16 (1)
2008-2019イングランドの旗 アーセナル 262 (40)
2010-2011イングランドの旗 ノッティンガム・フォレスト (loan) 5 (0)
2011ウェールズの旗 カーディフ・シティ (loan) 6 (1)
2019-2022イタリアの旗 ユヴェントス 49 (5)
2022スコットランドの旗 レンジャーズ (loan) 7 (2)
2022-2023フランスの旗 ニース 27 (1)
2023-ウェールズの旗 カーディフ・シティ 6 (3)
代表歴2
2005-2008 ウェールズ U-1715 (2)
2007-2009 ウェールズ U-2112 (2)
2008-ウェールズの旗 ウェールズ84 (21)
2012イギリスの旗 イギリス5 (1)
1. 国内リーグ戦に限る。2023年12月30日現在。
2. 2023年12月30日現在。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

経歴 編集

カーディフ・シティ 編集

カーディフ・シティのユース出身。2006-07シーズンのホーム最終戦でわずか数分間ながらトップチームデビューを果たす。16歳と124日という年齢はクラブ史上もっとも若いデビューであった。6月には100万ポンド以上の獲得オファーが来るも、クラブはこれを拒否。さらに、エヴァートンからは100万ポンド+活躍次第で20万ポンドの上乗せという条件のオファーも寄せられたがクラブはやはりこれも拒否した。

2007年12月、初めてのプロ契約を結ぶ。プロとしての初試合は2008年1月5日のFAカップの試合だった。この試合ではヘディングでプロ初得点を決めている。結局、このシーズンはFAカップ決勝を含むトータル22試合に出場した。マンチェスター・ユナイテッドがカーディフとラムジーに関する移籍について移籍金500万ポンドでクラブ間合意に至ると、アーセナルやエヴァートンもそれに続いた。最終的にはアーセナルのアーセン・ベンゲル監督が休暇返上で本人のもとに訪問したことも決め手となり、アーセナル移籍を選択した。

アーセナル 編集

2008年6月13日に移籍が完了。アーセナルを選んだ理由は、若手が多くの出場機会を与えてもらえるから、と語った。2008年8月13日のチャンピオンズリーグ予選・トゥウェンテ戦でアーセナルでの初出場を記録すると、9月13日のブラックバーン・ローヴァーズ戦で途中出場しプレミアリーグデビュー。9月21日のチャンピオンズリーグ・グループリーグのフェネルバフチェ戦では後半ロスタイムに移籍後初得点を挙げた。ラムジーはこのゴールでチャンピオンズリーグ史上5番目に若い得点者となり、また史上2番目の1990年代生まれの得点者となった。2009年1月、アーセナルとの契約を延長した。2008-09シーズンではリーグ戦で9試合(1先発)に出場した。

2009年8月22日のポーツマス戦でプレミアリーグ初得点を記録。11月11日にはウェールズ年間最優秀若手選手賞を受賞した。2010年2月27日のアウェーでのストーク・シティ戦でライアン・ショウクロスのタックルにより右足を負傷。ショウクロスは一発退場となり、ラムジーは全治6~8ヶ月の重傷であると診断された。2009-10シーズンではリーグ戦で18試合(7先発)に出場、3ゴール3アシストを記録した。

2010年11月25日からフットボールリーグ・チャンピオンシップノッティンガム・フォレストに3か月間レンタル移籍。2011年1月、1ヶ月の短期レンタルでカーディフ・シティへ復帰。2010-11シーズンではプレミアリーグで7試合(5先発)に出場し、1ゴールを記録、フットボールリーグ・チャンピオンシップでは8試合に出場、1ゴール1アシストを記録した。

2011-12シーズンではリーグ戦で34試合(27先発)に出場、2ゴール4アシストを記録した。

2012-13シーズンではリーグ戦で36試合(21先発)に出場、1ゴール2アシストを記録した。

2013-14シーズンではリーグ戦で23試合(20先発)に出場、10ゴール8アシストを記録した。FAカップ決勝ハル・シティ戦では延長後半に値千金の決勝ゴールを挙げ、チームの10年振りとなるタイトル獲得に貢献した。

2014年8月10日、自身初出場となる、マンチェスター・シティとのFAコミュニティ・シールドでは、チームの2点目となるゴールを決めて、タイトル獲得に貢献した。2014-15シーズンではリーグ戦で29試合(23先発)に出場、6ゴール6アシストを記録した。

2015-16シーズンではリーグ戦で31試合(29先発)に出場、5ゴール4アシストを記録した。2016-17シーズンではミケル・アルテタの退団に伴い、背番号を8番に変更する。23試合に出場し、最終節のエヴァートン戦で先発出場、ゴールを決めた。2017年のFAカップ決勝では、自身2度目の決勝点となるゴールをチェルシー相手に決め、チームに優勝をもたらした[1]

2017-18シーズン、2月3日のエヴァートン戦で6分、19分、74分に得点を決め、初のハットトリックを達成した[2]。同シーズン、公式戦32試合11ゴール・12アシストを記録してファン投票で決定するシーズン最優秀選手に選出された。また、同様にファン投票で決定するシーズンベストゴールに4月5日、UEFAヨーロッパリーグ準々決勝の1stレグ、CSKAモスクワ戦でのゴールに背を向けながら右足アウトサイドのジャンピングボレーで決めたループシュートが選出された。

ユヴェントス 編集

2019年2月11日、2018-19シーズン終了後の7月1日にユヴェントスに加入することが発表された。契約は4年間[3]。9月21日、セリエA第4節のエラス・ヴェローナ戦で移籍後初ゴール(セリエA初ゴール)を決め[4]、3月8日、第26節、優勝を争うインテルとの対戦では決勝ゴールを決めるなど[5]、チームは優勝したが、出場機会は限定されレギュラー獲得までには至らなかった[6]

2022年1月31日、レンジャーズへのレンタル移籍が発表された。期間は半年で、買い取りオプションが付随する[7]

レンジャーズが買い取りオプションを行使しなかったためユヴェントスへ復帰するが、米国遠征のメンバーから外れ構想外の立場は変わらず、2022年7月26日、双方の合意のもと契約解除が発表された[8]

ニース 編集

2022年8月1日、リーグ・アンニースへの移籍が発表された[9]

カーディフ・シティ復帰 編集

2023年7月15日、古巣カーディフ・シティに2年契約で復帰することが発表された[10]

代表 編集

世代別代表でキャリアを重ね、2008年10月29日の親善試合・デンマーク戦でA代表デビュー。2009年10月14日のW杯予選リヒテンシュタイン戦ではフリーキックを直接決め代表初ゴールを記録した。2011年3月のイングランド戦を前に、監督のガリー・スピードにより20歳にして主将に任命された[11]

UEFA EURO 2016ではグループステージ第3節のロシア戦で得点を挙げてウェールズ代表の初出場でのグループステージ突破に貢献し、チームはベスト4まで進出した。準決勝のポルトガルでは累積警告により出場できず、チームも敗れた。なお大会中はアザールと並ぶ最多の4アシストを記録した[12]

2020ユーロ予選、本選出場をかけた最終節直接対決のハンガリー戦では、2ゴールを決め、ハンガリーに逆転での本大会出場に導いた[13]。2021年、UEFA EURO 2020、グループリーグ第2戦、トルコ戦では先制ゴールを決めて、大会初勝利に貢献した[14]

個人成績 編集

クラブ 編集

2023年7月15日現在
クラブシーズンリーグカップリーグカップ国際大会その他通算
ディビジョン出場得点出場得点出場得点出場得点出場得点出場得点
カーディフ・シティ2006-07チャンピオンシップ10000010
2007-08チャンピオンシップ1515110212
通算1615110222
アーセナル2008-09プレミアリーグ90403061221
2009-10プレミアリーグ183213060294
2010—11プレミアリーグ7110000081
2011-12プレミアリーグ342300071443
2012-13プレミアリーグ361301071472
2013-14プレミアリーグ23102110853416
2014-15プレミアリーグ296400073114110
2015-16プレミアリーグ31521105010406
2016-17プレミアリーグ231431040322
2017-18プレミアリーグ247002064003211
2018-19プレミアリーグ28420307200406
通算2453725614057152134359
ノッティンガム・フォレスト (loan)2010-11チャンピオンシップ50000050
カーディフ・シティ (loan)2010-11チャンピオンシップ61000061
ユヴェントス2019-20セリエA81004110132
2020-21セリエA222107000302
2021-22セリエA3000200050
通算4955015110706
レンジャーズ (loan)2021-22プレミアシップ723030132
ニース2022-23リーグ・アン2710070341
総通算3725040716088183151976

代表 編集

2023年12月30日現在

国際Aマッチ 84試合 21得点(2008年 - )


ウェールズ代表国際Aマッチ
出場得点
200810
2009102
201000
201193
201250
201353
201420
201562
201671
201772
201861
201922
202010
2021104
202270
202361
通算8421

代表でのゴール 編集

#日付場所対戦相手スコア結果試合
12009年10月14日 ファドゥーツラインパーク・シュタディオン  リヒテンシュタイン2-02-02010 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選
22009年11月14日 カーディフカーディフ・シティ・スタジアム  スコットランド3-03-0親善試合
32011年5月27日 ダブリンアビバ・スタジアム  北アイルランド1-02-0ネイションズカップ2011
42011年9月2日 カーディフ、カーディフ・シティ・スタジアム  モンテネグロ2-02-1UEFA EURO 2012予選
52011年10月7日 スウォンジーリバティ・スタジアム  スイス1-02-0UEFA EURO 2012予選
62013年3月22日 グラスゴーハムデン・パーク  スコットランド1-12-12014 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選
72013年9月6日 スコピエピリッポス2世アレナ  北マケドニア1-11-22014 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選
82013年10月15日 ブリュッセルボードゥアン国王競技場  ベルギー1-11-12014 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選
92015年3月28日 ハイファサミー・オフェル・スタジアム  イスラエル1-03-0UEFA EURO 2016予選
102015年10月13日 カーディフ、カーディフ・シティ・スタジアム  アンドラ1-02-0UEFA EURO 2016予選
112016年6月20日 トゥールーズスタジアム・ミュニシパル  ロシア1-03-0UEFA EURO 2016
122017年6月11日 ベオグラードスタディオン・ツルヴェナ・ズヴェズダ  セルビア1-01-12018 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選
132017年9月5日 キシナウスタディオヌル・ジンブル  モルドバ2-02-02018 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選
142018年9月6日 カーディフ、カーディフ・シティ・スタジアム  アイルランド3-04-1UEFAネーションズリーグ2018-19
152019年11月19日 カーディフ、カーディフ・シティ・スタジアム  ハンガリー1-02-0UEFA EURO 2020予選
162-0
172021年6月16日 バクーバクー・オリンピックスタジアム  トルコ1-02-0UEFA EURO 2020
182021年10月8日 プラハシノー・ティップ・アレナ  チェコ1-02-22022 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選グループE
192021年11月13日 カーディフ、カーディフ・シティ・スタジアム  ベラルーシ1-05-12022 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選グループE
203-0
212023年9月11日 リガスコント・スタディオン  ラトビア1-02-0UEFA EURO 2024予選

エピソード 編集

タイトル 編集

クラブ 編集

アーセナル
ユヴェントス
レンジャーズ

個人 編集

脚注 編集

  1. ^ “Arsene Wenger secured his record seventh FA Cup final win as Arsenal produced a magnificent display to win a Wembley thriller against 10-man Chelsea.”. BBC. (2017年5月27日). http://www.bbc.co.uk/sport/football/39984089 2017年5月27日閲覧。 
  2. ^ 5ゴールでアーセナルが大勝! オーバメヤンが初得点、ラムジーはハットトリック Soccer King 2018年2月4日
  3. ^ ラムジー「ユヴェントスは僕にぴったりのクラブ」”. ユヴェントスFC (2019年7月15日). 2019年7月27日閲覧。
  4. ^ “ユベントス、格下に苦戦も逆転勝利…ラムジーが加入後初ゴール”. www.sanspo.com. (2019年9月22日). https://web.archive.org/web/20200726115840/https://www.sanspo.com/soccer/news/20190922/ser19092208100001-n1.html 2020年5月27日閲覧。 
  5. ^ “ユベントスがインテルに2-0で勝利”. www.nikkan.com. (2020年3月8日). https://www.nikkansports.com/soccer/world/news/202003090000028.html 2020年5月27日閲覧。 
  6. ^ 19/20セリエAワーストイレブン。「悪童」はやっぱり「悪童」、精神的な未熟さを露呈したのは?”. www.footballchannel.jp (2020年8月4日). 2020年8月4日閲覧。
  7. ^ “MFラムジーがレンジャーズへ…相次ぐ怪我でユーベでは出場機会に恵まれず”. ゲキサカ. (2022年2月1日). https://web.gekisaka.jp/news/detail/?351497-351497-fl 2022年2月1日閲覧。 
  8. ^ “ユヴェントスがラムジーと契約解消…ケガに苦しみ3年間で退団決定”. goal.com. (2022年7月27日). https://www.goal.com/jp/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9/juventus-aaron-ramsey-202207262050/blt04086917d07f9c47 2022年7月27日閲覧。 
  9. ^ “ユーヴェ退団のラムジー、初のリーグ・アン挑戦へ!…ニースへの加入が決定”. サッカーキング. (2022年8月2日). https://www.soccer-king.jp/news/world/world_other/20220802/1672996.html 2022年8月2日閲覧。 
  10. ^ “カーディフがラムジーの加入を発表! 故郷のクラブへ15年ぶりの復帰”. サッカーキング. (2022年8月2日). https://www.soccer-king.jp/news/world/eng/20230716/1788626.html 2023年7月16日閲覧。 
  11. ^ ラムジーがウェールズ代表主将に Goal.com 2011年3月25日
  12. ^ EURO2016 -UEFA.COM
  13. ^ ラムジー2発でウェールズのEURO出場決定!…最終節の直接対決を制し2位浮上-Soccer King 2019年11月22日
  14. ^ 「確かに残念だったが…」ベイルが“失態”帳消しの2アシストでMOM選出”. ゲキサカ (2021年6月17日). 2021年6月17日閲覧。
  15. ^ 「もうベイルのスペイン語を超えている!」イタリア語でユーベ入団会見を行なったラムジーに称賛の声!”. サッカーダイジェスト (2019年7月16日). 2019年7月27日閲覧。
  16. ^ ラムジー、サッリ、アンチェロッティ…名物女性教師が“教え子”たちの語学力を採点!最も優秀だった生徒は?”. サッカーダイジェスト (2019年7月23日). 2019年7月27日閲覧。

外部リンク 編集