アゼルバイジャンの行政区画

アゼルバイジャンの行政区画は、59の県 (rayon) 、県と同レベルの10市 (şəhər)、および1つの自治共和国 (muxtar respublika) で構成される。

2023年12月5日にアグダラ県が再び作成された。

地方区分(Zone)としては14の経済地区(iqtisadi rayon)に分けられる。

区画一覧 編集

県と市(ナヒチェヴァン自治共和国を除く) 編集

No.行政区画行政区画
アゼルバイジャン語
県都面積[1]
(km²)
人口(人)[1]
(2011 est.)
備考
1アブシェロン県Abşeronフルダラン英語版1,360192,900バクー市内の飛地を含む
2アグジャバディ県Ağcabədiアグジャバディ英語版1,760124,000
3アグダム県Ağdamアグダム1,150180,6002020年まで一部がアルツァフ共和国により占領
4アグダシュ県Ağdaşアグダシュ英語版1,050100,600
5アグスタファ県英語版Ağstafaアグスタファ英語版1,50081,400
6アグス県英語版Ağsuアグス英語版1,02072,100
7シルヴァン英語版Şirvan3081,2002008年4月24日、アリ・バイラムル (Əli Bayramlı) から改称
8アスタラ県英語版Astaraアスタラ英語版62098,300
9バクーBakı2,1302,122,30011のrayonlarから成る
10バラキャン県英語版Balakənバラキャン英語版92091,100
11バルダ県Bərdəバルダ英語版960143,900
12ベイラガン県英語版Beyləqanベイラガン英語版1,13087,900
13ビラスヴァル県英語版Biləsuvarビラスヴァル英語版1,40094,400
14ジャブライル県英語版Cəbrayılジャブライル英語版1,05072,7002020年まで全域がアルツァフ共和国により占領
15ジャリラバド県Cəlilabadジャリラバド英語版1,440196,500
16ダシュキャサン県英語版Daşkəsənダシュキャサン英語版1,05033,200
17シャブラン県英語版Şabranシャブラン英語版1,09053,0002010年までダヴァチ県 (Dəvəçi)
18フィズリ県Füzuliフィズリ英語版1,390118,9002020年まで一部がアルツァフ共和国により占領
19ギャダベイ県英語版Gədəbəyギャダベイ英語版1,29095,000実効支配しているアルメニアの飛地(アルツヴァシェン)に接する
20ギャンジャGəncə110821,700
21ゴランボイ県英語版Goranboyゴランボイ英語版1,76096,500
22ギョイチャイ県Göyçayギョイチャイ英語版740111,400
23ハジュガブル県英語版Hacıqabulハジュガブル英語版1,64067,300
24イミシュリ県İmişliイミシュリ英語版1,820116,600
25イスマイル県英語版İsmayıllıイスマイル英語版2,06080,900
26キャルバジャル県Kəlbəcərキャルバジャル英語版3,05083,200一部がアルツァフ共和国により占領。2020年に一部が返還、2023年に全域を奪還
27キュルダミル県Kürdəmirキュルダミル英語版1,630106,128
28ラチン県Laçınラチン英語版1,84070,9002020年まで全域がアルツァフ共和国により占領
29レンキャラン県Lənkəranレンキャラン1,540209,900
30レンキャランLənkəran70220,780
31レリク県英語版Lerikレリク英語版1,08076,400
32マサッル県Masallıマサッル英語版720211,951
33ミンゲチェヴィルMingəçevir130100,775
34ナフタランNaftalan309,100
35ネフトチャラ県Neftçalaネフトチャラ英語版1,45081,300
36オグズ県英語版Oğuzオグズ英語版1,22040,900
37ガバラ県英語版Qəbələガバラ英語版1,55095,600
38ガフ県英語版Qaxガフ英語版1,49053,900
39ガザフ県Qazaxガザフ英語版700102,031アルメニアに実効支配されている2つ飛地を含む
40ゴブスタン県英語版Qobustanゴブスタン英語版1,37041,100
41グバ県Qubaグバ英語版2,580161,434
42グバドル県Qubadlıグバドル80037,4332020年まで全域がアルツァフ共和国により占領
43グサル県英語版Qusarグサル英語版1,54090,438
44サアトル県英語版Saatlıサアトル英語版1,18095,100
45サビラバド県Sabirabadサビラバド1,470155,400
46シャキ県Şəkiシャキ2,430181,000
47シャキŞəki963,700
48サリヤン県Salyanサリヤン英語版1,790124,900
49シャマフ県英語版Şamaxıシャマフ英語版1,61093,700
50シャムキル県Şəmkirシャムキル英語版1,660196,100
51サムフ県英語版Samuxサムフ英語版1,45054,600
52シヤザン県英語版Siyəzənシヤザン英語版70038,400
53スムガイトSumqayıt80357,900
54シュシャ県Şuşaシュシャ英語版29030,300一部がアルツァフ共和国により占領。2020年に一部が返還、2023年に全域を奪還
55タルタル県英語版Tərtərタルタル英語版96098,4002023年まで一部がアルツァフ共和国により占領
56トヴズ県Tovuzトヴズ英語版1,900160,700実効支配しているアルメニアの飛地に接する
57ウジャル県英語版Ucarウジャル英語版85079,800
58ハチマズ県Xaçmazハチマズ英語版1,050162,100
59ハンケンディXankəndi855,2002023年までアルツァフ共和国が占領。同国の首都として機能していた
60ギョイギョル県英語版Göygölギョイギョル英語版1,03058,300旧称ハンラル (Xanlar)
61フズィ県英語版Xızıフズィ英語版1,85014,700
62ホジャル県英語版Xocalıホジャル英語版94026,5002023年まで一部がアルツァフ共和国により占領
63ホジャヴェンド県英語版Xocavəndホジャヴェンド英語版1,46042,1002023年まで一部がアルツァフ共和国により占領
64ヤルディムリ県英語版Yardımlıヤルディムリ英語版67059,600
65イェヴラフ県Yevlaxイェヴラフ英語版1,540119,600
66イェヴラフ英語版Yevlax9559,036
67ザンギラン県英語版Zəngilanザンギラン英語版71040,5002020年まで全域がアルツァフ共和国により占領
68ザガタラ県英語版Zaqatalaザガタラ英語版1,35099,516
69ザルダブ県英語版Zərdabザルダブ英語版86054,000
合計81,1008,700,600

ナヒチェヴァン自治共和国 編集

ナヒチェヴァン自治共和国
地図 ref.行政区画行政区画
(アゼルバイジャン語)
県都面積[1]
(km²)
人口(人)[1]
(2011 est.)
備考
1バベク県英語版Babəkバベク英語版90065,100従来は、内包するナヒチェヴァンを含めた全体が「ナヒチェヴァン」と総称されていた
2ジュルファ県英語版Culfaジュルファ英語版1,00042,600
3キャンギャルリ県英語版Kəngərliギュヴラグ英語版68028,6002004年3月、バベクから分離された
4ナヒチェヴァンNaxçıvan13084,7001991年、ナヒチェヴァン(現在のバベク県)から分離された
5オルドゥバド県英語版Ordubadオルドゥバド英語版97046,100ソ連時代にジュルファから分離された[2]
6サダラク県英語版Sədərəkサダラク英語版15014,4001990年にシャルルから分離された。アルメニアに実効支配されているカルキ英語版を含む
7シャフブズ県英語版Şahbuzシャフブズ英語版92023,200ソ連時代にナヒチェヴァン(現在のバベク県)から分離された[2]
8シャルル県Şərurシャルル (ナヒチェヴァン)英語版810105,400ソ連時代にはバシュ=ノラシェン (Bash-Norashen) として知られ、1990年までの名称は「イリイチ」(Ilyich)[2]
合計5,560410,100

経済地区 編集

アゼルバイジャンの14の経済地区
飛地はナヒチェヴァン経済地区
  1. バクー経済地区英語版
  2. ナヒチェヴァン経済地区英語版
  3. アブシェロン=フズ経済地区英語版
  4. 山岳シルヴァン経済地区英語版
  5. ギャンジャ=ダシュキャサン経済地区英語版
  6. カラバフ経済地区英語版
  7. ガザフ=トヴズ経済地区英語版
  8. グバ=ハチマズ経済地区英語版
  9. レンキャラン=アスタラ経済地区英語版
  10. 中央アラン経済地区英語版
  11. ミル=ムガン経済地区英語版
  12. シャキ=ザガタラ経済地区英語版
  13. 東ザンガズル経済地区英語版
  14. シルヴァン=サリヤン経済地区英語版

実効支配の歴史 編集

2020年停戦協定から2023年までの行政区画

1991年のアルツァフ共和国(旧称ナゴルノ・カラバフ共和国)の独立宣言以降、ナゴルノ・カラバフ戦争を経て、アグダム県(一部)、キャルバジャル県、グバドル県、ゴランボイ県、ザンギラン県、シュシャ県、シュシャ市、ジャブライル県、フィズリ県(一部)、タルタル県(一部)、ハンケンディ、ホジャル県、ホジャヴェンド県、ラチン県がアルツァフの実効支配下にあり、アゼルバイジャンの統治が及ばなかった。しかし2020年ナゴルノ・カラバフ紛争の結果、アルツァフは首都ステパナケルト(アゼルバイジャン名:ハンケンディ)を中心とした旧ナゴルノ・カラバフ自治州領北部とラチン回廊以外で実効支配していた大部分の領土をアゼルバイジャンへ返還した[3]。残りの地域については2023年9月の攻撃でアルツァフを解体に追い込み、2023年10月までに全域を取り戻した[4]


脚注 編集

関連項目 編集