書き手の技術を褒める

物を書く人たちは、私たちに感動やインスピレーションを与えてくれます。しかし、いざ彼らの作品を褒めようとすると、何と言ってよいかわからなくなることがあるでしょう。小説家に彼らの本を読んでワクワクしたことを伝えたり、ジャーナリストに彼らの書いたものがどれほど重要だと思っているかを伝えたりしたい場合、何と言えばよいのでしょうか？彼らの作品をどれほど高く評価しているかを伝える方法について、具体的なアドバイスと役立つ例文をまとめました。また、小説を書いている友達から、表現力の豊かな同僚まで、どんな書き手に対しても使える褒め言葉も併せて紹介していきます。

押さえるべきポイント

その書き手の作品のどこが好きなのか、特に気に入った描写や部分をピンポイントで具体的に述べましょう。
より深く心のこもった褒め言葉となるよう、「……という点がおもしろかったです」というように、理由を伝えるようにします。
その書き手の作品をもっと読みたい、あるいは彼らの仕事を何らかの形で支援したいという気持ちを伝えましょう。
作品を書く過程について、書き手の想い、インスピレーションを得る方法などについて尋ね、書き手が自分の作品について話すきっかけをあげましょう。

1

「私が最も気に入った部分は……」

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気に入った箇所を具体的に挙げましょう。本や記事、その他の作品の好きな箇所を具体的に挙げることで、称賛の気持ちが確実に書き手に伝わります。これは褒め言葉としてうれしいだけでなく、読み手が作品のどの部分を最も楽しんだのかを、書き手が知る手がかりになるのです。^{[1]X出典文献}
- 「エンディングが完璧でした。とても満足がいく終わり方でしたよ」
- 「インタビューの中であなたがした、この質問は素晴らしかったです。考え抜かれた質問でしたね」
- 「冒頭部分ですっかり引き込まれてしまいました。あなたは読者の気持ちを惹きつける方法を、よくわかっているんですね」
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2

「私はこの部分が大好きです。なぜなら……」

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ただ「良かった」と伝えるだけでなく、「なぜ」その作品が気に入ったのかまで述べましょう。誰かの書いたものを褒める際には、「なぜなら」といった表現を使って、あなたがその作品を気に入った理由を深く掘り下げて伝えるようにします。こうすることで、表面的なコメントよりもさらに一歩踏み込んだ褒め言葉になり、あなたが彼らの作品を大切に思っていることが書き手に伝わるでしょう。^{[2]X出典文献}
- 「魅力的で親しみやすいあなたの文体が大好きです」
- 「このプロットが機能しているのは、あなたの書く物語のテンポが良いからだと思います」
- 「あなたの書く文章はとても美しいと思います。あなたが、どの場面でどんな言葉を使うべきかを熟知していらっしゃるからですね」

3

「あなたの作品に刺激を受けています」

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その作品があなたにとって、どれほど重要なものかを書き手に伝えましょう。自分の作品に感動した、やる気を刺激されたといった言葉をかけられるのは、とてつもなく深い賛辞であり、書き手にとって、さらなる作品制作の刺激になります。自分の書いた作品が、大切に読んでくれる読者に届いていることを知るのは、素晴らしいことなのです。^{[3]X出典文献}
- 「僕ももっと腕を上げたいと思って、あなたの作品を何度も熟読して研究しています！」
- 「あなたの書いたものを読むたびに、私も作家になりたいと思うんです」
- 「これは私にとって、大きな意味のある物語です」
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4

「あなたがこの作品に、多大な労力を費やしたことがよくわかります」

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作品に注ぎ込んだ書き手の労力を称えましょう。楽々と書き上げたように見えたとしても、作品を書くのに費やした労力を、どれほど高く評価しているか伝えることには大きな意味があります。結局のところ、文章を書くのには、かなりの粘り強さとエネルギーが必要になりますが、これはあまり知られていない事実なのです。この褒め言葉は、特に同僚や一緒に仕事をしている人に対して使うと効果的です。^{[4]X出典文献}
- 「かなり緻密に徹底的に調べ上げられていて、感心したよ」
- 「楽々と書き上げたように見えるけど、このために相当労力を注いだんでしょうね」
- 「君の努力がここにきて実を結んだんだね」

5

「私気づいたんです。あなたのこの決断は……」

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書き手の行った特定の描写や決断を褒めましょう。書き手から見て、勘の良い読者は好ましい読者と言えます。プロットのポイントとなる部分や、特に魅力的な一節、目を引かれた点など、あなたが興味深いと感じた、あるいは特に刺激を受けた作品の一面について具体的に伝え、なぜその点に注意を惹かれたのかを説明しましょう。^{[5]X出典文献}
- 「どうしてこの場面で母親のことも書こうと思ったんですか？その点がかなり考えられていると感じました」
- 「この一文には本当に心をつかまれました。あなたの文章の組み立て方がとても好きです」
- 「あのような舞台設定の描写の仕方をしたのが、興味深い選択だと思いました」
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6

「作家志望者に何かアドバイスはありますか？」

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アドバイスを求めることで、さりげなく称賛の気持ちを表すことができます。その人の作品を素晴らしいと思っていて、その人なら自分の作品がもっと良くなるアドバイスや提案をしてくれるに違いないと思えるほど、信頼しているという気持ちを伝えましょう。^{[6]X出典文献}
- 「駆け出しの頃、文章の書き方をどのように学んだんですか？」
- 「あなたのような作品を書きたいと思っている場合、何かやるべきことはありますか？」
- 「ぜひあなたから学びたいと思っています！」

7

「あなたの作品を読んで、……についての私の考え方が変わりました」

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その人の作品が、あなたにどのような変化や影響を与えたかを伝えます。自分の書いたものがページを超えて、実際に誰かの人生に良い影響を与えたと聞けば、書き手は感激するものです。作品に感動したり、その作品が何らかの形で自分の心に響いたという場合は、どのように心に響いたのか、なぜ感動したのかを具体的に説明しましょう。^{[7]X出典文献}
- 「あなたの書いた文章を読んで、私自身の子供時代のことが鮮明によみがえりました」
- 「あなたの記事を読んでから、友達みんなに記事のことを話したんです」
- 「あなたの作品が、このことについての私の見方を変えました」
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8

「こんなの初めて見ました！」

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その書き手が独自に取り入れていると思われる、手法や要素について指摘しましょう。どんなタイプの書き手でも、多くの作品の中で自分の作品が際立っていると言われるのはうれしいものですし、それがどうしてなのかを具体的に言ってほしいと思っています。作品の語り口がユニークなのでしょうか？新しい方法で情報を伝えているのでしょうか？物語の展開に驚きや新鮮さがあったのでしょうか？彼らの作品が、他の誰のものとも違うものになっている、その理由となる一面を指摘してあげましょう。^{[8]X出典文献}
- 「あなたはユニークな視点をお持ちですね」
- 「あなたの作品には、良い意味でいつも驚かされます」
- 「こんなキャラクターは初めてでした」

9

「興味深いテーマを選びましたね」

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書き手がそのテーマを選んだことを評価していると伝えましょう。必ずしも細部にこだわって褒める必要はありません。全体像に焦点を当て、小説のテーマや記事の着眼点についてコメントするようにします。最初に称賛の言葉を伝え、そこから細かな点について述べていくのがよいでしょう。^{[9]X出典文献}
- 「気候変動についてのあなたの書き方は素晴らしいと思います。どうしてこのテーマについて書き始めることになったのですか？」
- 「あなたの家族の描き方がとても素敵です」
- 「私はこのことについてよく知らなかったのですが、あなたのおかげでとても興味を惹かれました」
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10

「この部分について、あなた自身はどう思いますか？」

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書き手に彼らの作品について質問してみましょう。質問が最高の賛辞になる場合もあります。質問をすること自体が、その作品について本当に知りたいと思っていて、作品についてあなたが深く考えたことを示しているからです。また、書き手が自分自身の創作のプロセスについて語る機会にもなるため、こうした質問は喜ばれることが多いでしょう。^{[10]X出典文献}
- 「このキャラクターの動機は何だと思いますか？」
- 「記事では触れられていませんでしたが、この新しい法律についてのあなたの見解を知りたいと思いました」
- 「なぜあのシーンから、物語を始めたのですか？」

11

「あなたの作品についてずっと考えています」

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彼らの作品が示唆に富んでいることを伝えましょう。具体的で深い褒め言葉がすぐに思いつかなくても、いつまでもその作品について考えているという事実そのものが賛辞になります。自分の書いたものがあなたの心に残り、それについて考えずにはいられないと言われたら、書き手としてはうれしいものです。それはつまり、うわべだけの良さを超える要素が、彼らの作品にあるということを意味するからです。^{[11]X出典文献}
- 「このシーンの何かに心を打たれました。ですが、それを表現する言葉をまだ見つけられないんです」
- 「この部分がどうしても頭から離れません。どうしてだと思いますか？」
- 「読んでからずいぶん経つのですが、この作品のことばかり考えてしまいます」
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12

「あなたの書いたものをもっと読めますか？」

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その人の他の作品にも興味があることを伝えます。書き手に贈る最高の賛辞の1つが、彼らの作品をもっと読みたいと伝えることです。他に何か書いたものがあるのか、どの媒体で読めるのかを尋ねましょう。これにより、あなたが彼らの作品の価値を認め、探し出してでも読む価値があると思っていることが伝わります。^{[12]X出典文献}
- 「これについての他の記事は書かれていますか？」
- 「次の作品はいつ出ますか？」
- 「これからも書き続けてほしいと思っています。ただただあなたの書いたものを『欲して』いるんです」

13

「あなたのお仕事をぜひ応援させてほしいと思っています」

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その人を支援する方法がないか聞いてみましょう。執筆には多大な労力が費やされていて、書き手の多くが、購入や寄付、あるいは好意的なレビューといった形での支援を求めています。支援を申し出ることは、その書き手の作品の重要性を認めていて、書き続けてほしいという想いを伝えられる、優れた方法と言えるでしょう。^{[13]X出典文献}
- 「あなたの本はどこで買えますか？」
- 「あなたに寄付をする方法はありますか？」
- 「読者の声や推薦文などを書いても構いませんか？」
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ポイント

書き手自身やその人の私生活についてではなく、作品そのものに焦点を当てて褒めるようにしましょう。
批評会やパネルディスカッションの際、または、会話の中で自然に話題にのぼり、彼らの作品について話しているときなど、適切なタイミングで褒め言葉を伝えるようにします。

注意事項

書き手が自身の作品やその特定の側面について話すことに抵抗があるという場合は、彼らの境界線を尊重しましょう。
作品について、勝手な批評や提案はしないようにしましょう。
書き手と作品について話すときは、あまり知ったかぶった発言をしないようにします。彼らの書いている作品にどの程度彼ら自身が反映されていて、どの程度が創作なのかはわからないからです。
称賛の言葉を伝える際には、冗長すぎたり長々と語ったりしないようにしましょう。褒め言葉は短く簡潔にまとめるようにします。