帰宅恐怖症を改善する方法

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ストレス社会という言葉に代表されるように、現代人は男性も女性も様々なストレスに直面しながら生活しています。ストレスの強さや種類によっては、悪くすればうつ病や不安障害などの精神疾患を引き起こす危険性もあります。仕事が終わっても家に帰りたくないという「帰宅恐怖症」は、厳密に言うと病気ではありませんが、そういったストレスがもたらすマイナスの行動心理のひとつだと言えます。これを改善するためには、原因を紐解いて対策を考えていく必要があるでしょう。

方法 1
方法 1 の 3:

帰宅恐怖症を知ろう

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    どんな症状なのかを知りましょう 名前を読む限り、帰宅するのが怖くなる症状だと想像はつきます。家とは本来安らぎの場であるはずなのに、そこに帰りたくなるというのは本人にとっても家族にとっても寂しいことです。改善していくためには、この症状が一体どういうものなのか理解していくことが最優先となるでしょう。
    • 「帰宅に恐怖を覚える」という心理的な症状を帰宅恐怖症と呼びます。その結果が、帰宅できないという事象です。帰宅せずにどこで何をしているのかということは次の段階の問題であると考えましょう。
    • 帰宅するという行為を意識していない間は症状が起こりません。帰途に就かず、コンビニや喫茶店などで時間をつぶすことが多いようです。
    • 寄り道などの行動がなくても症状が出ているかもしれません。例えば、朝の満員電車は何ともないのに、空いている帰りの電車が苦痛で乗っていることができないというような例もあります。
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    発症者の傾向を知りましょう 症状が出ているとわかるのは、本人か近くにいる家族や知人だけです。病名でもありませんので正確な統計値というものは存在しませんが、民間のアンケート結果や記事などでその傾向を知ることはできます。
    • 近年、症例が最も多いのは20代から30代の既婚者だと言われており、中には4人に1人が帰宅恐怖症の自覚を持っているという調査結果もあるようです。[1]
    • 60代以降のシニア世代でも、退職したり長年の仕事を乗り越えた後で、いわゆる燃え尽き症候群(バーンアウト)に陥るケースもあります。そこから来る虚無感が原因で帰宅を回避する行動心理も、帰宅恐怖症に分類してよいでしょう。
    • 女性の社会進出や育児環境の変化などにも伴って、女性の発症者も増えてきています。
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    フラリーマンについて知ろう よく帰宅恐怖症と並んで引き合いに出されるのが「フラリーマン」という造語です。[2] 「会社が終わっても家に帰らず、フラフラと寄り道をしている[3] サラリーマン」という意味だと聞けば帰宅恐怖症と似ているように思いますが、揶揄するかのような響きにはあまり深刻さが感じられません。帰宅恐怖症と違いがあるのでしょうか?
    • フラリーマンも、何らかの理由で家に帰りたくないという点では帰宅恐怖症と同じだと言えます。フラリーマンという括りのうち、帰宅に対する恐怖感が強く、その原因となっているストレスの大きさや性質が深刻であるケースを帰宅恐怖症と呼ぶのが正しいかもしれません。
    • フラリーマンの行動心理が重篤化したものを帰宅恐怖症とすれば、全てのフラリーマンは帰宅恐怖症の予備軍と考えることもできるでしょう。コミカルな名前のイメージだけで片付けるべきではないかもしれませんね。
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方法 2
方法 2 の 3:

原因を知りましょう

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    夫婦間の原因を考えてみよう 家に帰りたくない理由として、男女とも夫婦間のストレスが1位に挙がっているようです。仕事で疲れて家に帰っても、待っている伴侶がストレッサー(ストレスの原因)となってしまっていては、恐怖症とまではいかずとも誰もが帰り路で溜め息くらいはついてしまうでしょう。
    • 夫にとっては、妻とのやり取りが非常にナーバスな問題となる場合があります。こと家の中のことに関しては主導権を握れない夫は、妻の顔色を窺ってばかりです。家事を手伝おうとすれば妻のやり方と違うため邪魔者扱いされたり、自分の家なのに居場所がなくなってしまうのです。
    • 一方、妻の側にとっても同様に夫とのやり取りがストレスになり得るでしょう。また、家事の負担はまだまだ女性の方が多いので、帰宅しても家事というきつい仕事が残っていると思ったら、帰りたくなくなる気持ちが起こるのも当然なのかもしれません。
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    家庭内の原因を考えてみよう 夫婦以外の家族と同居している人も多いですが、そこにもストレスの原因が潜んでいる可能性はあります。本人が意識していないような人間関係がストレスになっているケースもあるのではないでしょうか。
    • 新しく誕生した赤ちゃんは、夫婦にとってまさしく天使のような存在です。でも、育児という仕事を夫婦間でバランスを取るのは口で言うほど簡単ではありません。とりわけ夫が非協力であったり、逆に協力的なのに役に立てなかったりすることが摩擦の原因になりやすいようです。
    • 親との同居も気を遣うものです。家事を分担したり、ちょっと子供を見てもらったりできるのは大変有難いことなのですが、その家事や育児のやり方の違いが感情的な衝突になってしまうこともあるでしょう。
    • 外に働きに出ていない人にも、家庭内のストレスが原因で帰宅が怖くなることは起こり得ます。
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    家庭外の原因を考えてみよう 家に帰りたくないのですから、その原因はほとんどの場合家の中にあるはずです。でも直接的なストレッサーが家の外にある場合も考えられます。職場でのストレスを抱えたまま帰宅することで家族に嫌な思いをさせるのではないか、というふうに思い詰めてしまっているとしたら危険な状態かもしれません。
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方法 3
方法 3 の 3:

対策を考えましょう

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    夫婦間での対策を考えよう 昔から、夫婦は両輪と言います。どちらか片方に力がかかりすぎれば曲がってしまうこともあるのです。帰りたい、暖かい家の基本は夫婦円満ですよね。そのためには、どちらかが我慢したり怒ったりするのではなく、できるだけ対等な関係を保つのが理想的なのではないでしょうか。
    • 互いに思いやったり、相手に甘えたりする気持ちが「相手が嫌がるだろう」「やってもらえると思っていたのに」といった一方的な遠慮や期待になってしまっているのはいい関係とは言えません。面倒くさがらずに言葉にして話し合うことが最も大事なのです。
    • 夫婦がお互いの仕事量を尊重し合った上で、できること・やりたいこと・やってほしいこと・やってほしくないことを確認し合うことができれば、間違いなく衝突は減るでしょう。
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    家庭内での対策を考えよう 子供や親はかけがえのない大事な家族です。しかし、生活の中心をあまりにも自分以外に偏らせすぎては、かえって円滑な人間関係を損ないかねません。自分たち夫婦も大事な家族の一員として尊重しましょう。それぞれが尊重し合うことが「帰りたい家」を作る第一歩となるでしょう。
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    家庭外での対策を考えよう 家の外で辛いストレスを感じている場合、多くの場合家族には心当たりがなく、そのことに気づかないかもしれません。でも、気づいてあげられるのは家族だけでしょう。
    • 帰宅する様子に違和感を感じたら、5分でも10分でもよいので優しく話を聞いてあげましょう。
    • 悩みを聞いてあげることができたら、自分の悩みも打ち明けてみましょう。時間を置いてからでも構いません。信頼関係が強くなりますし、人にやさしくすることには自分の心を癒す効果もあるのです。
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    治療しよう 帰宅恐怖症のストレスが強く長期的になれば、重篤化してうつ病などに進展してしまう場合があります。症状が強いと感じた場合は、病院を受診するのが賢明でしょう。こういった病気は本人に自覚がないことも多いので、できれば夫婦間で話し合い、付き添って受診するのがよいでしょう。
    • 「こころの病気」に診療内容については、ほとんどの心療内科と精神科で違いがありませんので、受診しやすい病院を選んで構いません。 重い病気と診断されなくても、少しの投薬で症状を改善してもらえる場合もあります。
    • カウンセリングも有効な治療行為です。但し病院外のカウンセリングの場合は保険の適用外となりますので注意が必要です。
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ポイント

  • 「会いたい人がいるのが帰りたい家、その逆が帰りたくない家」と考えれば、原因や対策も考えやすいでしょう。でも、コミュニケーションの問題は自分だけに責任があるわけではありませんから、みんなで解決するという気持ちを共有するところから始めたいものです。
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このHow.com.vn記事について

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