お通夜に参列する方法

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お通夜とは、本来家族などのごく親しい人たちが故人を偲び別れを惜しむための儀式でした。それ以外の会葬者は葬儀(告別式)に参列して故人とお別れをするのが一般的でしたが、近年ではこれが逆転してきています。[1] その理由は、葬儀では親しい人達だけで故人を送りたいという気持ちと、通夜の方が一般会葬者に参加しやすいという配慮によるものでしょう。そのため、もしあなたが親しい人の訃報を受けた時、参列するのはお通夜である可能性も高いといえますから、お通夜という儀式の位置付けや作法に関する知識をつけておきたいところです。

方法 1
方法 1 の 2:

準備をしましょう

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    お通夜について知りましょう 広義でいうお通夜は「仮通夜」といい、主に故人が亡くなった当日に行う儀式です。儀式とは言いますが式典ではなく、具体的には家族や親族が終夜故人を偲ぶ静かな空間と時間のことです。それに対し、「お通夜に参列する」と言うような場合は仮通夜の翌日に行われる通夜式のことで、これを「本通夜」と呼ぶのが通例です。
    • 儀式は故人の亡くなられた日の夜に仮通夜、翌日に本通夜、その翌日午前中に葬儀、の順で行われることが多いようです。
    • 葬儀や通夜などの順番や日程は、友引など縁起の良くない日を避けたり、地域の慣習などによって変わることも珍しくはありません。葬儀の案内状があればそれでわかりますが、あなたが直接案内を受けていない場合は他の人に確認しましょう。
    • 葬儀の日程などについて、喪主の家や親族にやかましく確認を取るのは控えましょう。あなたには故人を弔いたい気持ちも義理や礼儀を通したい気持ちもあるでしょうが、葬儀や通夜は本来故人の親族のための儀式だということを忘れてはいけません。親族の方々は悲しみの中で多忙に追われています。何よりも親族へのいたわりの気持ちを優先するべきです。
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    参列をについて考えましょう 本通夜への参列が一般的になってきたとはいえ、実際には判断に迷うケースもあるでしょう。また、規模の小さい家族葬であればそもそも参列の対象範囲が大きくはありませんが、故人が大きな会社に勤めていた場合などは誰がどちらに参列するかというような調整が必要になる事も往々にしてあるのです。
    • 葬儀と本通夜のどちらに参列するかは特に決まりがあるわけではありません。自分と故人との関係の深さを踏まえて判断しましょう。場合によっては両方とも参列する場合もあります。訃報を直接受け取ったかどうかも判断の基準になるかもしれません。
    • 会社などで大勢が葬儀や本通夜に参列する可能性がある場合、故人との親交の深さに加えて会社内での序列など儀礼的な要素も判断基準になってしまう場合があります。しかしこれも親族に気を遣わせたり負担をかけたりしないようにする配慮の一環ですから、会社内の調整結果に従うのが賢明でしょう。会社とは別にあなた個人でお弔いをすることは問題ありませんが、会社にはその旨の断りを入れておきましょう。
    • 遺族の方から「故人の意向により家族葬にさせて頂きます」といった挨拶があった場合は、参列を辞退するという意味を含みますので注意が必要です。参列だけでなく弔電や香典も辞退されるケースが増えていますので、案内状で確認しましょう。
    • 葬儀や本通夜参列するほど親しい間柄ではない場合などには、通夜式以外の時間帯に焼香に伺い、お弔いだけをしましょう。
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    香典の準備をしましょう 香典とは故人の霊前にお香の代わりとして供える、のし袋に包んだ現金のことを言います。古くは遺族に代わって弔問客に飲食物をふるまい、遺族の負担の減らそうという相互扶助の意味合いで行われてきたもののようですが、その主旨が残っている慣習だと言えるでしょう。今日では儀礼化され一般常識となっている部分もありますので、失礼のないよう準備の作法をおさえておきましょう。
    • 香典を包むのし袋は正式には不祝儀袋といい、一般的にはわかりやすく香典袋と呼ばれています。香典袋はコンビニでも買うことができます。
    • 金額の相場は、友人・知人であれば5千円~1万円程度、親族なら数万円が相場と言われています。地域によりまちまちですので、年長者の方や同席する方に確認しましょう。職場の同僚などでは有志で1~3千円程度を出し合い、代表者がまとめて持参することもあります。
    • 香典では使い古しの紙幣を使います。新札を使うのは、故人の死に前もって準備していたことになり、失礼に当たるからです。新札しか用意できない場合は、わざと折り目をつけておきましょう。
    • 香典の受け取った側には仕分けやお返しの準備があり、香典袋に記名がないと大変に困ります。忘れずに記名しておきましょう。
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方法 2
方法 2 の 2:

参列しましょう

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    服装のマナーを知りましょう 本通夜は「取り急ぎ駆け付けた」という意味で葬儀よりやや簡略な弔問の場です。服装などの儀礼やマナーも比較的簡素であるのが通例ですが、本通夜への参列が一般的になるにつれ、マナーも葬儀に近いものになってきていますので注意しましょう。
    • 従来は喪服でなく平服を用いるのが主でした。これは香典に新札を用いないのと同じ理由によるものですが、近年は葬儀同様に喪服を用いることも多くなりました。
    • 正式な喪服でなくても、黒の礼服や濃紺・グレーなどダークカラーのスーツでも構いません。女性も暗い色合いのスーツかワンピースで、肌の露出が少ないものを選ぶのがよいでしょう。明るい色のネクタイやカフスボタン、装飾品の類は金具類は外しておきましょう。
    • 髪型は普段より落ち着いたセットにするのが大人の嗜みです。顔にかかるような前髪やボサボサの寝癖はきちんと整えましょう。また、以前は茶髪をヘアスプレーで黒くするようマナーの指導を受けることがありましたが、近年そこまで気にすることは減ってきたようです。
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    香典のマナーを知りましょう 準備した香典をどのタイミングでどのように渡すかというのは、やり方を知らないと難しい所です。年長者と同行した場合は教えてもらったり真似したりもできますが、一人の場合は誰かが案内してくれることはないと考え、基本的なやり方を知っておきましょう。
    • 通夜だけに参列する場合は通夜に持っていきます。葬儀に参列する場合は、通夜ではなく葬儀の方に持参しましょう。
    • 香典は弔事用の袱紗に包んで持っていきます。袱紗がなければ、地味な色の小さな風呂敷で代用しても構いません。
    • 会場に着いたら受付に行きます。受付は普通会場の正面口に置かれていますが、分からない場合は会場の係員に聞くのがいいでしょう。
    • 受付ではまず手短にお悔やみの言葉を述べましょう。[2] ここで香典を渡し、芳名帳に記名します。
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    言葉使いのマナーを知りましょう 日本では冠婚葬祭の場で使うべきでない言葉があり、これを「忌み言葉」と呼びます。難しいと感じる部分ではありますが、日本語の美しい文化だとも言えるでしょう。忌み言葉は数多くありますが、なぜ使ってはいけないのか意味や由来がわかれば、覚えるのはそう難しくはありません。
    • 弔事の忌み言葉で代表的なのは、死を連想する言葉です。「死ぬ」はもちろん「終わる」「切れる」などの言葉に注意が必要です。
    • 不幸な出来事ですから、また起こる・続くという言い回しにも気を付けなければなりません。「たびたび」「引き続き」などは普段よく使う言葉ですので注意しましょう。
    • 「死ぬ」は、同義の「逝去」に言い換えれば忌み言葉ではなくなります。[3] そのような言葉遣いは社会人としての一般常識的な作法と言っていいでしょう。身に付けておいて損はありません。
    • 忌み言葉ではありませんが、遺族の方に対して「頑張れ」「しっかりして」といった励ましの言葉は慎むべきでしょう。かえって悲しみを増すことになりかねません。
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    通夜式のマナーを知りましょう 本通夜の通夜式に参列する場合にも手順やマナーがあります。手順については葬儀社の担当の誘導に従えば問題ありませんが、マナーがわからずに会場内でもたつかないよう基本的なことは覚えておくとよいでしょう。
    • 会場への移動と着席については係員から案内があります。着席した時、前方右側が遺族・親族席、左側に見えるのが故人の友人・知人の席であることが一般的です。
    • 僧侶が入場し読経が始まると、順に焼香を行います。遺族・親族から関係の深い順に行われ、その後一般弔問客の番になります。順番に従って祭壇の前へ進み出、焼香しましょう。
    • 焼香のやり方について迷うという人は少なくありません。宗派などで違いもあるようですが、基本的には「進み出て遺族・親族に一礼」、「祭壇に一礼し合掌」の順で行い、焼香をします。それが済めばさっきとは逆の手順を踏んでから席に戻る、というやり方で問題ないようです。
    • 抹香のあげ方には諸派諸説ありますので、特にこだわる必要はなさそうです。3本の指で少量つまんで額のあたりまで持ち上げてから、静かに火に落とすことを2~3度繰り返すのが、よく見かけるやり方です。[4]
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注意事項

  • 通夜式が終わった後、「通夜振る舞い」といって親族側から飲食が供されることがあります。故人との最後の食事会という意味合いですから、勧められたらできる限り受けましょう。料理に箸をつけにくいと感じるかもしれませんが、少しでも口にするのが礼儀です。故人を偲んで思い出を語りあうことは、ご遺族にとってもきっと慰めになるでしょう。
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カテゴリ: 哲学・宗教
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