カルト宗教を辞める方法

PDF形式でダウンロードPDF形式でダウンロード

カルト宗教という言葉を辞書で調べると、「悪しき集団であることを明確にするために用いられる通俗用語。反社会的な団体を指す世俗的な異常めいたイメージがほぼ定着し、犯罪行為をするような反社会的な集団を指して使用される」とあります。反社会的ということは、世間には存在を容認されておらず、被害にあうのは限られた人と思うかもしれません。でも、実際は身近な存在で、例えば大学の公式サイトでもカルト宗教の勧誘への注意が促されていることもあります。[1] かつて地下鉄サリン事件を引き起こしたオウム真理教のように、カルト宗教は社会的な問題を引き起こす可能性があります。また、信者が辞めたいと思っても容易には辞めることができず、マインドコントロールによって洗脳されていることも少なくないことから、周囲の人間がなかなか辞めさせられないのも問題となっています。一体、どのように対応すれば、スムーズに辞める・辞めさせることができるのでしょうか。

パート 1
パート 1 の 3:

カルト宗教を知る

PDF形式でダウンロード
  1. How.com.vn 日本語: Step 1 カルト宗教の基本を知る 
    カルト宗教を辞める方法を知る前に、まずは、あらためて「カルト宗教とは何か」を見直してみましょう。宗教はおきた年代によって伝統宗教と新興宗教にわけられ、ほとんどのカルト宗教は新興宗教です。ただし、すべての新興宗教がカルト宗教というわけではありません。
    • 新興宗教とは昔からある伝統宗教に比べて新しい宗教のことで、一般的には幕末・明治維新以降に創立された宗教を指します。
  2. How.com.vn 日本語: Step 2 カルト宗教の問題点を知る 
    カルト宗教による問題の一つに、入信者の人権損害があります(本人はマインドコントロールによって、そのことに気がつかないことも少なくありません)。[2] また、教団が信者に金銭を要求することもあり、それが原因でトラブルに発展することもあります。
    • マインドコントロールとは、自分の精神状態を制御すること、あるいは他人の精神状態を暗示をかけるなどして支配することです。カルト宗教のマインドコントロールは悪質で、行動、思想、感情などが支配されることになります。[3]
    • 信者自身がスムーズに辞められない理由の一つは、私生活を奪われて集団活動に埋没し、外部からの批判を封鎖されて教団への絶対服従を強いられているからとされています。
  3. How.com.vn 日本語: Step 3 カルト宗教の現状を知る 
    地下鉄サリン事故を引き起こしたオウム真理教には、事件当時、11,400人もの信者がいました。[4] また、カルト宗教に関係があるとされている霊感商法の被害額は、2017年のデータでは9億円以上にのぼるということです。[5] 現在、カルト宗教の正確な宗教団体数と信者数は正確には把握されていませんが、カルト宗教の教団数、信者数は多く、身近にある危機といえるでしょう。
    • 霊感商法とは、個人の日常的な悩みにつけこみ、不安を利用して多額な商品や祈祷料などを請求する悪徳な商法です。カルト宗教が教団の財源確保のために霊感商法を行っていることもあるとされています。
    • カルト宗教の宗教団体数と信者数の把握が難しいのは、カルト宗教とその他の宗教についての法律上の区分がないことも関係しています(同じ教団でも人によってカルト宗教とみなすことがあれば、そうではないこともあります)。
    • もともと宗教自体が団体数や信者数を把握しにくいもので、例えば文化庁が公表しているデータによると、2018年の国内の宗教の信者数は約1億8千万人と日本の総人口(約1億2500万人)よりも多くなっています。[6] この理由の一つは、信教の自由・政教分離の原則を尊重し、統計は宗教団体の自発的協力によるもので、信者の定義も各団体の自己申告制であることなどが挙げられます。[7]
    広告
パート 2
パート 2 の 3:

カルト宗教を辞める

PDF形式でダウンロード
  1. How.com.vn 日本語: Step 1 カルト宗教に気づく 
    カルト宗教は入信してからの日が浅ければ浅いほど、辞めやすい傾向があります。少しでも怪しいと思ったら、早めに行動するようにしましょう。
    • カルト宗教には、精神の不安定(洗脳やマインドコントロール)、法外な金銭的要求(多額の寄付金要求)、住み慣れた生活環境からの断絶(監禁や出家など)、肉体的保全の損傷(信者への暴力)、子どもの囲い込み、反社会的な説教、公序良俗の錯乱、裁判沙汰の多さ、従来の経済回路からの逸脱、公権力への浸透の試みなどがあるとされています。一つでも当てはまるようであればカルト宗教を疑いましょう。
    • カルト宗教を辞めるきっかけになるものには、教えられていることがじつはよく理解できていない、疑問に思ったことを上部に聞いても教えてくれない、修業の成果がいつになったら達成できるのかがわからないなどが挙げられます。[8]
    • リーダー(教祖)については、リーダー自身が組織のルールを守らない、指示や言動に一貫性がないのがカルト宗教の特徴です。
    • 洗脳されると適切な判断ができなくなります。もっとも確実な洗脳の防ぎ方は、洗脳へとつながる講習や合宿に参加しないことです。怪しいと思ったら、参加しないようにしましょう。
  2. How.com.vn 日本語: Step 2 退会の意思を伝える 
    カルト宗教を辞める方法はシンプルで、退会したい旨を団体に伝えれば辞めることができます(信教の自由は憲法で補償されている権利で、団体側に強制力はありません)。辞めることを決めたら、その意思をはっきりと表明し、持ち続けることが重要です。意思の伝え方については、状況によって異なりますが、脱会届を書いて送るのがよいでしょう。
    • 場合によっては裁判や警察の介入が必要になることもあります。証拠になりそうなものは、しっかりと残しておきましょう。
    • 脱会届について、団体のほうで用意されているのであれば、それを使用しましょう。自分で用意する場合は、脱会する旨をはっきりと書き、記載した日付と自分の氏名を記して押印します。未成年者の場合は保護者の署名印も加えます。
    • 後々のことを考慮して、書いた脱会届はコピーをとって手元に残しておきます。脱会届は内容証明郵便で送るとよいでしょう。
  3. How.com.vn 日本語: Step 3 周囲に協力してもらう 
    自分だけの力では辞めるのが難しいようであれば、周囲に相談して協力をしてもらいましょう。とくに家族や親しい友人は大きな支えとなってくれるはずです。弁護士やカウンセラーに相談するという選択肢もあります。
    • 宗教脱会相談サイトを設置している法律事務所もあります。[9]
    広告
パート 3
パート 3 の 3:

カルト宗教を辞めさせる

PDF形式でダウンロード
  1. How.com.vn 日本語: Step 1 カルト宗教に気づく 
    カルト宗教には段階を経て入信します。団体に入会はしたけれど本人がまだカルト宗教であることに気がついていない段階、あるいは講習や合宿などの教育を受けている段階で、周囲が気がつけばよいのですが、多くは出家や学業・仕事の放棄などで発覚します。タイミングが遅れるほど辞めさせるのが難しくなるので、気がついたら、すみやかに対応しましょう。
    • そもそも対象の団体がカルト宗教かどうかを見極めることも大切です。すべての新興宗教がカルト宗教というわけではありません。まずは対象の団体のことをしっかりと確認しましょう。
  2. How.com.vn 日本語: Step 2 本人と話す 
    対象が明らかにカルト宗教である場合は、まずは本人と話して状況を理解しましょう。頭ごなしに「辞めろ」というと「辞めろ」「辞めない」の押し問答になってしまうことが少なくないので、冷静に話を聞くように心がけます。話し合いで本人が辞めることを決意することもあります。
    • ミイラ取りがミイラにならないように、周囲にカルト宗教の問題を抱えていることを相談してから、本人と話をしましょう。
    • その団体の脱会者の手記があるなら、それを入手しましょう。経験者の言葉は適切な対応へのよい手がかりになります。
    • 一度入信したカルト宗教を辞めるのは時間がかかります。本人との話し合いでは焦らないように気をつけましょう。
    • 本人の言い分は無批判にしっかりと聞きましょう。その後に、無理のない範囲で、入信にいたった理由や本人がその団体について疑問に思っていること、こちらの疑問などを投げ掛けるようにしましょう。
    • 本人と話をする前にカルト宗教やマインドコントロールについての基礎知識を身につけておきましょう。
    • 本人が辞めることを決意するきっかけには、外部からの情報、指導者への不信、仲間たちの裏切り行為や傷つけあい、教えの矛盾、病気、恋愛、家族への心配、金銭トラブル、その団体が与えた恐怖、将来の不安などがあります。
    • 辞めさせるときには本人が辞めるときと同様、脱会届を団体に提出するとよいでしょう。
  3. How.com.vn 日本語: Step 3 専門家に依頼する 
    自分(あるいは自分たち)だけでは辞めさせるのが難しいようであれば、弁護士やカウンセラーなどの専門家に相談しましょう。宗教脱会をサポートしてくれるサービスもあります。[10]
    • 辞めさせたあとのことも考え、受け入れ態勢をしっかりと整えておきましょう。
    広告

ポイント

  • カルト宗教の経典は、医療関係者による治療の拒否など、一般社会では容認されにくいものもあり、それも問題の一つになっています。
  • カルト宗教に辞める旨を伝えると、「天罰がくだる」などの脅しを受けることもありますが、実際に天罰がくだることはありません。心を強く持ちましょう。
広告

注意事項

  • カルト宗教によっては周囲に反対されたときのマニュアルが用意されていることもあります。カルト宗教を辞めさせるのは簡単なことではないので、焦らず、冷静に取り組みましょう。
広告

このHow.com.vn記事について

How.com.vnは「ウィキ」サイトの一つであり、記事の多くは複数の著者によって共著されています。 この記事は、著者の皆さんがボランティアで執筆・推敲を行い、時間をかけて編集されました。 この記事は5,033回アクセスされました。
カテゴリ: 宗教
このページは 5,033 回アクセスされました。

この記事は役に立ちましたか?

⚠️ Disclaimer:

Content from Wiki How 日本語 language website. Text is available under the Creative Commons Attribution-Share Alike License; additional terms may apply.
Wiki How does not encourage the violation of any laws, and cannot be responsible for any violations of such laws, should you link to this domain, or use, reproduce, or republish the information contained herein.

Notices:
  • - A few of these subjects are frequently censored by educational, governmental, corporate, parental and other filtering schemes.
  • - Some articles may contain names, images, artworks or descriptions of events that some cultures restrict access to
  • - Please note: Wiki How does not give you opinion about the law, or advice about medical. If you need specific advice (for example, medical, legal, financial or risk management), please seek a professional who is licensed or knowledgeable in that area.
  • - Readers should not judge the importance of topics based on their coverage on Wiki How, nor think a topic is important just because it is the subject of a Wiki article.

広告