es[エス]

ドイツ映画
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es[エス]』 (原題:Das Experiment、国際向け題:The Experiment)は、2001年ドイツサイコスリラー映画英語版。監督はオリヴァー・ヒルシュビーゲル、出演はモーリッツ・ブライブトロイクリスチャン・ベルケルオリヴァー・ストコウスキなど。

es[エス]
Das Experiment
監督オリヴァー・ヒルシュビーゲル
脚本ドン・ボーリンガー
クリストフ・ダルンスタット
マリオ・ジョルダーノ
原作マリオ・ジョルダーノ
『Black Box』
製作マーク・コンラドドイツ語版
製作総指揮オリヴァー・ヒルシュビーゲル
出演者モーリッツ・ブライブトロイ
クリスチャン・ベルケル
オリヴァー・ストコウスキ
音楽アレクサンダー・フォン・ブーベンハイム
撮影ライナー・クラウスマン
編集ハンス・ファンクドイツ語版
製作会社ファネス・フィルム
セナトール・フィルム・プロダクション
セヴン・ピクチャーズ
タイフーン
配給ドイツの旗 セナトール・フィルム
日本の旗 ギャガ
公開ドイツの旗 2001年3月7日
日本の旗 2002年6月22日
上映時間119分
製作国ドイツの旗 ドイツ
言語ドイツ語
興行収入ドイツの旗 $6,391,356[1]
世界の旗 $13,782,896[1]
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1971年アメリカスタンフォード大学で実際に行われたスタンフォード監獄実験を元にしたマリオ・ジョルダーノの小説『Black Box』を原作とし、ジョルダーノ本人が脚本に加わっている。

映画では、新聞広告によって募集された男たちが、ドイツの大学地下に設置された擬似刑務所で、囚人看守の役を2週間演じ続ける実験が行われる。この実験の存在を知った主人公の男(モーリッツ・ブライブトロイ)は、取材と報酬目当てで囚人としてこの実験に参加する。

原題は「実験」の意。日本語版映画名の「es」とは、通常ドイツ語では「これ」または「それ」の意(英語ではit)であるが、心理学・精神分析学の用語で、「無意識層の中心の機能」という概念を意味する語でもある(この語もドイツ語起源で、語源は前者のesから来ている)。詳しくは自我を参照。

2001年ヨーロッパ映画賞作品賞、ノミネート作品[2]

ストーリー

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タクシー運転手記者の男タレク(モーリッツ・ブライプトロイ)はある日、こんな実験者募集の新聞広告を目にする。

被験者求む。
  • 拘束時間:2週間
  • 報酬:4000マルク
  • 応募資格:不問
  • 実施場所:大学内模擬刑務所

その実験とは大学の地下に作られた擬似刑務所で20人の男を「看守」と「囚人」に分け、それぞれ与えられた役になり切り2週間生活するというものであった。タレクは、2週間で4000マルク(約2000ユーロ、25万円)という高報酬と、刑務所の囚人の疑似体験という実験の特殊性が良い記事になると思い実験の様子を秘密裏に取材し、録画する為の超小型カメラを眼鏡に仕込み実験に参加する。

始めの日は両サイド共に何の問題も無く和やかな雰囲気で過ごす。しかしその後、些細ないざこざから端を発した看守側と囚人側の対立は、徐々に深くなってゆく。実験の主催者であるトーン教授に対し助手のグリム博士たちは、実験の続行は危険だと判断し実験中止の要請を再三に渡り行う。だが、これらの要請をトーン教授はすべて拒否、実験は続けられた。グリム博士は看守役のあまりの暴走に、トーン教授の留守中に実験の強制中止を申し出る。しかし看守役の男たちは実験を続ける為、グリム博士から衣服を没収し地下の疑似刑務所へ連行。この実験は最終的に2名の死者を含む多数の死傷者を出す惨劇へと変貌していく。

キャスト

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役名俳優日本語吹替
ソフト版テレビ東京
囚人番号77/タレクモーリッツ・ブライブトロイ森川智之平田広明
囚人番号38/シュタインホフクリスチャン・ベルケル小杉十郎太磯部勉
囚人番号82/シュッテオリヴァー・ストコウスキ水内清光内田直哉
囚人番号69/ジョーヴォータン・ヴィルケ・メーリング川村拓央堀内賢雄
看守/ベルスユストゥス・フォン・ドホナーニ井上倫宏森田順平
看守/エッカートティモ・ディールケス花田光江原正士
看守/カンプスニッキ・フォン・テンペルホフドイツ語版諸角憲一家中宏
看守/ボッシュアントニオ・モノー・ジュニア石住昭彦星野充昭
看守/レンツェルラース・ガルトナー上田陽司楠大典
ドラマレン・エッゲルト高橋理恵子岡本麻弥
トーン教授エトガー・ゼルゲ世古陽丸牛山茂
ユッタ・グリム博士アンドレア・サバスキ宮寺智子塩田朋子
ジグラーアンドレ・ユング稲葉実仲野裕
ラースフィリップ・ホフマイヤー伊藤栄次中村秀利
ニュースアナウンサークリスティアーヌ・ゲーボットドイツ語版牧薫子加藤ゆう子

作品の評価

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Rotten Tomatoesによれば、批評家の一致した見解は「『es[エス]』の複雑なプロットは期待したほど啓示的ではないかもしれないが、精神を大いに錯乱させるアクション映画としては成功している。」であり、65件の評論のうち高評価は72%にあたる47件で、平均点は10点満点中6.6点となっている[3]Metacriticによれば、19件の評論のうち、高評価は12件、賛否混在は6件、低評価は1件で、平均点は100点満点中60点となっている[4]

リメイク

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2010年アメリカ合衆国でリメイクされた。

出典

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  1. ^ a b The Experiment” (英語). Box Office Mojo. 2021年5月22日閲覧。
  2. ^ 2001年 第14回ヨーロッパ映画賞”. allcinema. 2021年5月22日閲覧。
  3. ^ The Experiment (2001)” (英語). Rotten Tomatoes. 2021年5月22日閲覧。
  4. ^ The Experiment Reviews” (英語). Metacritic. 2021年5月22日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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