パトラ湾(パトラわん、ギリシア語: Πατραϊκός Κόλπος, Patraikós Kólpos)は、イオニア海の一部をなすギリシャの湾。パトライコス湾とも呼ばれる。コリンティアコス湾の入り口となるリオン海峡が東辺を画し、その近くのリオ岬とアンティリオのあいだにはリオン・アンティリオン橋がかけられている。パトラ湾の西の境界は、オクセイア島とアラクソス岬を結ぶ線である。北はギリシャ本土のエトリア=アカルナニア県、南はペロポネソス半島アハイア県となっている。全長は40から50キロメートル、幅は10から20キロメートル、面積は350から400平方キロメートルである。

パトラ湾(紫)の位置
パトラ湾の衛星写真(1994年3月)
アハイア県から見たパトラ湾。アイトーリアの山並みが見える。

パトラ湾の南東に位置するパトラスが唯一の主要港である。パトラスからはケファロニア島イタリアアンコーナブリンディシにフェリーが出航している。北岸のメソロンギにも港がある。湾の南岸や東岸、北岸に複数のビーチがある。東部のリオとアンティリオを結ぶ船便は、リオン・アンティリオン橋の交通を補う存在となっている。豊かな漁場でもある。

歴史上、パトラ湾では1499年のゾンキオの海戦、1500年のモドンの海戦、1571年のレパントの海戦、1772年のパトラスの海戦の4度にわたって主要な海戦が行われてきた。このうち最も規模が大きかったものはレパントの海戦であるが、レパント自体はより東方のコリンティアコス湾岸にある。

パトラ湾には以下の河川が流れ込んでいる。

  • 北岸 - アケルス川、エヴィノス川
  • 南岸 - ハラドロス川、グラフコス川、ピロス川

沿岸の都市と町

編集
  • リオ - 東岸、ビーチあり
  • パトラス - 東岸、港湾およびビーチあり
  • パラリア - 南東岸
  • ロイティカ - 南東岸
  • モノデンドリ - 南東岸
  • ツカライイカ - 南東岸
  • アリッソス - 南岸、ビーチあり
  • アリケス - 南岸
  • イオニキ・アクティ - 南岸
  • マヴリ・ミティ - 南西岸
  • メソロンギ - 北岸
  • アンティリオ - 北東岸、港あり

脚注

編集