エボリューション (映画)

エボリューション』(原題: Evolution)は、2001年アメリカで製作・公開されたSFコメディ映画。

エボリューション
Evolution
監督アイヴァン・ライトマン
脚本デヴィッド・ダイアモンド
デヴィッド・ウェイスマン
ドン・ジャコビー
原案ドン・ジャコビー
製作ダニエル・ゴールドバーグ
ジョー・メジャック
アイヴァン・ライトマン
製作総指揮デイヴィッド・ダイヤモンド
デイヴィッド・ウェイスマン
ドン・ジャコビー
音楽ジョン・パウエル
撮影マイケル・チャップマン
編集シェルドン・カーン
ウェンディ・グリーン・ブリックモント
配給アメリカ合衆国の旗 DW/コロンビア ピクチャーズ
日本の旗 SPE
公開アメリカ合衆国の旗 2001年6月8日
日本の旗 2001年11月3日
上映時間101分
製作国アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語英語
製作費US$80,000,000[1]
興行収入US$98,376,292[1]
テンプレートを表示

日本で公開された際には、紺一色の背景に3つ眼のスマイリーマークと「人類へ。楽しい終末を」(英語版での「Have a nice end of the world」の和訳)とだけ書かれたティーザー広告が出された。

あらすじ 編集

アリゾナ州砂漠隕石が落下。現場に近いグレン・キャニオン短大の生物学教師で、以前はアメリカ陸軍感染症医学研究所に勤めていたアイラは、同僚の地質学教師ハリーと共に隕石から採取した液体を調査する。液体は未知の単細胞生物であったが、数時間後に再び観察するとそれは多細胞生物へと進化していた。この生命体は、地球での46億年分の進化を1ヶ月で成しとげる恐るべき成長力を持つエイリアンだったのである。アイラたちのパソコンを監視していて事態を知った、かつてのアイラの上司であるウッドマン将軍ら軍部は、隕石落下現場を封鎖してアイラたちを締め出すとともに、アイラたちの研究資料を全て持ち去る。

一方、町では不気味な生物たちが次々と現れ、大騒動となる。彼らは地球の大気に適応できず、すぐ死んでしまったが、そのうちに地球でも呼吸できるよう進化した生物が現れる。隕石落下の現場にたまたま居合わせていた消防士志望の青年ウェインが、バイト先で手に入れたエイリアンの死体をアイラたちの前に持ち込んだことをきっかけに、アイラたちの仲間となって共にエイリアンと戦うことになる。更に、軍部の下で働いていた女性研究者であるアリソンも、ウッドマン将軍のやり方に反発してアイラの仲間に加わる。

事態を一刻も早く解決したい州知事の指示の下、ウッドマン将軍はエイリアンらをナパーム弾で焼き払う計画を進める。ところが、偶然シャーレ内に冷凍保存していた原始状態のエイリアンが熱によって急成長してしまうことを知ったアリソンはウッドマン将軍に計画の中止を求めるが無視される。そこで、エイリアンにとっては体構造の原子の相性上でセレンが猛毒であり、二硫化セレンを主成分とするフケ取りシャンプーが有効であると気付いたアイラたちは、学生たちの協力の下、シャンプーを大量に消防車に積み、エイリアンに立ち向かう。

ウッドマン将軍の計画が予定より早く実行されたため、アイラたちがシャンプーで攻撃する前にエイリアンが同族を巻き込みつつ一つの巨大生物へと進化してしまう。しかし、アイラたちは改めて消防車でエイリアンに迫り、エイリアンの肛門と思われる穴からシャンプーを注ぎ込む。期待通りにエイリアンが体を維持出来ず爆死し、町が救われると、知事はアイラたちを英雄として讃える。そして、アイラとアリソンは結ばれ、アイラ、ハリー、ウェインの3人はフケ取りシャンプーのCMタレントに起用される。

登場人物 編集

アイラ・ケイン
大学の化学教授。テストの採点基準を甘くしているが、無理があると思う者には流石に厳しい評価を行う。かつて陸軍のUSAMREEDに勤務していたが、ワクチン実験で多数の被害者を出してしまい、除隊させられた過去を持つ。
アリソン・リード
女性研究者。
ハリー・ブロック
大学の地質学教授。バレーボールのコーチもしている。みずがめ座。
ウェイン・グレイ
消防士志望。消防士になるための訓練に励んでいるが、人気がなかったとはいえ小屋を燃やして練習するなど、やっていることは過激。
ラッセル・ウッドマン
将軍。
ディーク・ドナルド
アイラの教え子。
ダニー・ドナルド
アイラの教え子。
ジョンソン
巡査。
フレミング
大佐。
ルイス
州知事。
ナディーン
女生徒。ミスアリゾナを目指している。勉学を重視していないがアイラとハリーよりもエイリアンの変化に気づく鋭さを持つ。
バリー・カートライト
ウェインのバイト先の上司。
カーラ
アリソンの知人。

キャスト 編集

役名俳優日本語吹替
ソフト版日本テレビ
退役陸軍大佐アイラ・ケイン博士デイヴィッド・ドゥカヴニー小杉十郎太堀内賢雄
アリソン・リードジュリアン・ムーア唐沢潤坪井木の実
ハリー・ブロックオーランド・ジョーンズ楠大典山寺宏一
ウェイン・グレイショーン・ウィリアム・スコット鉄野正豊高木渉
ラッセル・ウッドマン将軍テッド・レヴィン菅生隆之石田太郎
ディーク・ドナルドイーサン・サプリー中嶋聡彦桜井敏治
ダニー・ドナルドマイケル・レイ・バウアー朝倉栄介岩田光央
ジョンソン巡査パット・キルベイン西凜太朗宗矢樹頼
フレミング大佐タイ・バーレル清水明彦立川三貴
ルイス知事ダン・エイクロイド玄田哲章菅生隆之
ナディーンキャサリン・タウンMAI木村亜希子
バリー・カートライトグレゴリー・イッツェン稲葉実
クライヤー中尉アシュリー・クラーク飛田展男

スタッフ 編集

評価 編集

レビュー・アグリゲーターRotten Tomatoesでは139件のレビューで支持率は43%、平均点は4.90/10となった[3]Metacriticでは32件のレビューを基に加重平均値が40/100となった[4]

エピソード 編集

フケ取りシャンプー、プロクター・アンド・ギャンブルh&sロイヤルオイルス」(日本未発売)
  • 霊長類を除くほとんどのエイリアンのデザインはティペット・スタジオで作成された。生物学者と制作会議を行い、単細胞生物から、扁形動物甲殻類昆虫両生類爬虫類への進化に沿って全体の基本ルールを定めデザインされた。地球上の生物に似た形のエイリアンも多いが、監督のライトマンは「ある程度の現実感がなければならない」と語っている[5]
  • ウェインの愛車はビュイック・リヴィエラ
  • ショッピングモールでウェインが空飛ぶエイリアンを呼び戻すためマイクで叫んだ「Ah Ah Ee Ee Tookie Tookie」は、アニメ『George of the Jungle』に登場するTookie Tookie Birdのマネである。
  • よく転んだりする不器用なアリソンのキャラは、ジュリアン・ムーア本人のアイディアで採用された[要出典]
  • 序盤に登場するミス・アリゾナになるため看護学校を目指す学生ナディーンを演じた女優キャサリン・タウンは、『ミッション:インポッシブル』などを手がけた脚本家ロバート・タウンの娘である。州知事が「英雄」を紹介するラストシーンで、「ミス・アリゾナ」のタスキをした姿で一瞬だけ再登場している[6]
  • ワイルド・チェリーの「プレイ・ザット・ファンキー・ミュージック」が劇中歌として使用された。

アニメ 編集

エボリューション The Animated Series
Evolution: The Animated Series
アニメ
総監督ウィル・ムニョ
監督ファブリス・ボー
パスカル・ゴーリー
カミーユ・プリネレ
アニメーション制作鴻鷹ユニバース(台湾:※アニメーション委託作業)
製作モンテシート・ピクチャー・カンパニー英語版
コロムビア・トライスター・テレビジョン英語版
DICエンターテイメント
電通
放送局 アニマックス
放送期間 2001年9月15日 - 2002年6月22日
2001年10月27日[7] - 2002年4月27日
話数全26話
テンプレート - ノート
プロジェクトアニメ
ポータルアニメ

同年に上記の映画を原作としたテレビアニメが2001年秋より放送が開始された。全26話。ストーリーは映画の後日談として展開され、再びエイリアンネーター対エイリアンとの戦闘が繰り広げられる。
製作には電通も参加しており、日本及びアジアでの配給は電通によって行われた。日本ではアニマックスにて2001年10月27日より放送開始。映像ソフトは2002年よりVHSとDVDでリリースが行われた。

エピソードリスト 編集

話数サブタイトル放送日
(日本)[8]
1新たなる脅威Part12001年
10月27日
2新たなる脅威Part211月3日
3新たなる脅威Part311月10日
4その水を飲むな11月17日
5オイルモンスター11月24日
6ハチの群れ12月1日
7火と水12月8日
8海中の恐怖12月15日
9ウェインを救え12月22日
10招かれざる乗客2002年
1月5日[9]
11コンピュータの心1月12日
12ウェインがいっぱい1月19日
13コロシアムにあつまれ1月26日
14最後のミッション2月2日
15ドラゴンの恐怖2月9日
16ジャワ島の火の中で2月16日
17お帰りアイラ2月23日
18エイリアンネーター解散?!3月2日
19オイルパニック3月9日
20消防士とエイリアンネーター3月16日
21操られたアイラ3月23日
22ジーナスの雨が降る3月30日
23将軍を救え!4月6日
24終章1:カウントダウン4月13日
25終章2:宇宙へ4月20日
26終章3:始まりと終わり4月27日

脚注 編集

  1. ^ a b Evolution (2001)”. Box Office Mojo. 2009年11月2日閲覧。
  2. ^ 金曜ロードショー at the Wayback Machine (archived 2016-04-09)
  3. ^ "Evolution". Rotten Tomatoes (英語). Fandango Media. 2023年2月22日閲覧
  4. ^ "Evolution" (英語). Metacritic. Red Ventures. 2023年2月22日閲覧。
  5. ^ MONSTER LEGACY
  6. ^ Evolution (2001) Trivia
  7. ^ KADOKAWA月刊ニュータイプ』2001年11月号p.60
  8. ^ KADOKAWA月刊ニュータイプ』2001年11月号~2002年5月号 ANIME LAND その他の番組
  9. ^ 12月29日は特番により放送休止 アニマックス公式サイト

関連項目 編集

外部リンク 編集