サラート

祈ること。イスラム教の五行のひとつ。ナマーズ(ペルシャ語による意訳)。

サラート礼拝サラーアラビア語: صلاةṣalāt, 複数形 صلوات ṣalawāt, 古典アラビア語: صلوة ṣalawah)とは、カアバ神殿の方角へ向かって祈ることで、イスラム教五行のひとつである。ペルシア語ベンガル語ウルドゥー語トルコ語南スラヴ諸語の一部では、ペルシャ語による意訳ナマーズ(نماز)に基づいた言葉で呼ばれる(ベンガル文字: নামাজ, ラテン文字: namaz, キリル文字: намаз)。

サラート

礼拝の方法には一定の決まりがある。ふだんは家庭などで個人で行ってもいいが、イスラムの祝日である金曜日の礼拝(全5回)のうち、少なくとも1回はモスクに集まってみなで行うことが奨励される。礼拝が始まる時間はムアッジンと呼ばれる人によって告げられるが、これをアザーンという。昔はモスクの尖塔(ミナレット)の上からアザーンが行われたが、現在はスピーカーが取り付けられている。

礼拝は1日5回行う。各礼拝は以下のようになっており、具体的な時間はその場所での日の出と日没の時間によって変わるため場所と季節の影響により時間が細かく変化する。現代では地域ごとの正確な礼拝時刻表が数日から一日刻みで精密に作られており、インターネットでも検索可能で、スマートフォンに専用モバイルアプリをダウンロードする者もいる。

日の出の1時間以上前には起きて礼拝の準備をしなければならないため、正確に守ろうとするとムスリムは大変な早起きをすることになる。日本の場合では日の出が早い8月ごろの場合には礼拝の時間は4時前となり、日の出が遅い冬場の12月から1月でも5時半前後になる。

各礼拝の時間帯一覧 編集

名称時間帯任意(ファルドゥ前)ファルドゥ(義務)任意(ファルドゥ後)
スンナ派シーア派スンナ派シーア派
ファジュル (فجر)夜明け前2ラカート2ラカート2ラカート
ズフル (ظهر)日の出からアスルまで4ラカート2-4ラカート4ラカート2ラカート
アスル (عصر)影が自分の身長と同じ(1倍)になってから[注 1]日没まで4ラカート2-4ラカート4ラカート
マグリブ (مغرب)日没から日がなくなるまで2-4ラカート3ラカート2ラカート2ラカート
イシャー (عشاء)4ラカート4ラカート4ラカート2ラカート
3ラカート Witr
2ラカート,8 ラカート (4×2 ラカート) Salat al-Layl3
  • ラカート:礼拝単位、カーバの神殿に向かって立ち、一回の立礼と二回の座礼を行うことで、1ラカートと数える

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ イマームによって異なる。

出典 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集