サンティアゴ・デ・チレ (Santiago de Chile )は、チリ の首都 。中央部の盆地 に位置する。一般には単にサンティアゴ 、またはサンチャゴ と呼称する。首都機能を有するが、国会はバルパライソ にある。南アメリカ 有数の世界都市 でもある。
植民地時代 [ 編集 ] 『サンティアゴの建設』 («La fundación de Santiago» ) 、ペドロ・デ・バルディビア により、1541年2月12日に市が建設された様子を描いている。ペドロ・リラ 画(1858年) メトロポリタン大聖堂は、植民地時代の建築の中で最も代表的な建物の一つ。 セロサンクリストバルで聖母マリアの像は、街の主要なシンボルの一つである。 サンティアゴは、1541年 2月12日にスペイン人 の征服者 ペドロ・デ・バルディビア によりサンティアゴ・デ・ヌエバ・エクストレマドゥーラ (Santiago de Nueva Extremadura ) 市として建設された。起工式はウエレン・イル (Huelén Hill ) (現サンタ・ルシア・イル (スペイン語版 ) で行われた。バルディビアがこの場所に都市を建設した理由は、穏やかな気候と市中央部を横断するマポチョ川 がマプーチェ族 からの防衛線になるためであったといわれる。
最初の建築物 は、チリ中部に居住していたインディオ の部族 の一つピクンチェ族 の人々の協力で作られた。
マポチョ川の南部にある湿地 は水が抜かれ、アラメダ (Alameda )(現アベニーダ・アラメダ・リベルタドール・ベルナルド・オイヒンス (スペイン語版 ) という遊歩道 に変えられた。
独立後 [ 編集 ] 1810年 から1818年 のチリ独立戦争 の結果、1818年 にベルナルド・オイギンス 、ホセ・デ・サン・マルティン らの活躍によりチリが解放されると、市南西部であったマイプーの戦い で若干の被害を受けたものの、サンティアゴは正式にチリ共和国の首都に指名された。
太平洋戦争 に勝利すると、1880年代 はペルー、ボリビアから併合したチリ北部で硝石 が産出され、国が繁栄したことにより、首都サンティアゴも発展した。1930年代 には、サンティアゴの近代化が始まり、チリ各地から人々が集まり、人口も増加した。1973年9月に起きたクーデターは映画「サンチャゴに雨が降る 」 (1975年) でアジェンデ 大統領誕生からの顛末が描かれる。1985年 に地震が発生し、中心部の歴史的建造物が破壊された。1990年 には、国会議事堂が約120km離れたバルパライソ に移転している。
2019年 10月18日 、地下鉄 料金値上げに抗議する学生らのデモが暴動 に発展(チリ暴動 (2019年-2020年) )。機動隊らが多数のデモ参加者を拘束したほか、地下鉄施設やスーパーマーケット などが火炎瓶 などで放火 され死傷者が発生した[1] 。
2020年 5月、2019新型コロナウイルス の感染が拡大。国内における1日当たりの新規感染者数は2600人を超え、8割近くが首都圏に集中したことから、5月15日 、政府はサンティアゴにロックダウン を行い外出を禁止する一方、約2000人分の墓地 の設置を進めた[2] 。
行政区分 [ 編集 ] サンティアゴは、以下の32区(首都州 と一致[要検証 – ノート ] )で構成される。各区には4年おきの選挙 で選ばれる区長 (スペイン語 : alcalde )がいる。
サンティアゴは地中海性気候 で、夏 (10月 から3月 )は比較的暖かく乾燥し、最高気温 が35度まで上がる日もある。冬 (6月 から8月 )は湿度 が高く、普段は最高気温は15度くらいだが、低い日は0度近くまで下がる。年間降水量 は約324mm。
降水は冬季に集中し、サンティアゴ市内でも雪が降ることもあり、周辺の山々は豊富な積雪量を誇る南半球 最大のスキーリゾートとなっている。
盆地に位置するためスモッグ や大気汚染 がひどく、冬の数ヶ月間はサンティアゴに溜まることがある。政府は大気汚染を減らすために、重工業 の工場 を盆地から出ていくよう誘導したが、失敗に終わった。
サンティアゴ (1972-1999年)の気候 月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 年 最高気温記録 °C (°F ) 36 (97) 37 (99) 34 (93) 31 (88) 31 (88) 27 (81) 27 (81) 29 (84) 31 (88) 33 (91) 36 (97) 37 (99) 37 (99) 平均最高気温 °C (°F ) 29.7 (85.5) 29.1 (84.4) 26.9 (80.4) 23.3 (73.9) 18.7 (65.7) 15.2 (59.4) 14.9 (58.8) 16.7 (62.1) 19.0 (66.2) 22.3 (72.1) 25.4 (77.7) 28.4 (83.1) 22.47 (72.44) 平均最低気温 °C (°F ) 13.0 (55.4) 12.4 (54.3) 10.7 (51.3) 8.0 (46.4) 6.3 (43.3) 4.3 (39.7) 3.9 (39) 4.8 (40.6) 6.1 (43) 8.2 (46.8) 10.1 (50.2) 12.0 (53.6) 8.32 (46.97) 最低気温記録 °C (°F ) 6 (43) 6 (43) 3 (37) 1 (34) −3 (27) −5 (23) −7 (19) −6 (21) −2 (28) −1 (30) 2 (36) 2 (36) −7 (19) 降水量 mm (inch)0.4 (0.016) 0.8 (0.031) 3.2 (0.126) 10.4 (0.409) 42.2 (1.661) 70.4 (2.772) 86.6 (3.409) 51.8 (2.039) 22.0 (0.866) 13.4 (0.528) 9.2 (0.362) 2.1 (0.083) 312.5 (12.302) 平均降雨日数 1 1 2 2 6 7 8 6 4 2 2 1 42 % 湿度 54 59 63 68 75 79 76 75 72 67 58 53 66.6 平均月間日照時間 322.4 279.7 263.5 186.0 117.8 90.0 108.5 139.5 159.0 207.7 267.0 322.4 2,463.5 出典1:World Meteorological Organization[3] 出典2:BBC Weather[4] for record highs, lows and humidity
アルトゥーロ・メリノ・ベニテス国際空港 サンティアゴの地下鉄 サンティアゴの表玄関となる空港 はアルトゥーロ・メリノ・ベニテス国際空港 で、南米では設備の整った空港である。
サンティアゴの鉄道 は、中央(アラメダ)駅 (Estación Central )をターミナルに、チリ国鉄 によって近郊電車と中長距離列車が走っている。かつてはチリ北部の各地やアンデス山脈 を越えたアルゼンチンのメンドーサ へ向かう長距離列車(途中での乗り換えを含む)や中部バルパライソ 、ロスアンデスへ向かう中距離電車も発着していたが、現在は中南部や南部への列車や近郊電車が中心となっている。
地下鉄 [ 編集 ] サンティアゴには、フランスの協力で建設された5路線の地下鉄 (メトロ)があり、数年以内に新たに2路線の開通が予定されている。比較的安全な交通機関 として信頼されている。
タクシー [ 編集 ] サンティアゴのタクシー は、通りで拾って乗ることができ、普通は黒いボディーに黄色い屋根をしている。他にコレクティーボ (Colectivos ) と呼ばれる乗り合いタクシーがあり、固定料金で決められた道を走る。
高速道路 [ 編集 ] サンティアゴ市内と空港を結ぶ大規模な有料高速道路が2005年に開通した。
遺産やモニュメント [ 編集 ] サンティアゴの首都圏には、歴史的・考古学的建造物やなどが多数位置している。エルプローモ (El Plomo)、教会、サンフランシスコの修道院、ラ·モネダ宮殿のインカの聖域、サンティグイノモニュメントはユネスコ世界遺産候補として提案されている。
スポーツ [ 編集 ] 市内から30~50km程度の場所のアンデス山脈 中にバジェ・ネバド 、パルバ 、ファレジュネス 等の中南米最大級のスキーリゾートがあり、標高3000m~5000m地点に滑走コースが作られている。これらのスキーリゾートでは国際大会が開かれており、サンティアゴは冬季オリンピック の招致活動の動きもある。
ATP ツアーのベルサウス・オープン が1993年から2000年 まで、モビスター・オープン が2010年 から同地で新たに開催されている。
ギャラリー [ 編集 ] 証券取引所
サンティアゴ大聖堂
エンテル・タワー
アラメダ通り
サンティアゴ遠景
テレフォニカ・チレ・タワー
セロ・エル・プロモ通り
下町の風景
衛星から見たサンティアゴ
サンティアゴ中央駅
パルバスキー場
ファレジュネススキー場
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座標 : 南緯33度27分0秒 西経70度40分0秒 / 南緯33.45000度 西経70.66667度 / -33.45000; -70.66667 (サンティアゴ )